ロシアの財政問題

冷戦期には、国家財政の動向を分析し、過大な軍事費とそれに伴う内政不安が国家を崩壊させると予想した (リン・タージョンの比較経済理論)。過去の大国の戦争は、植民地化への野望に基づくものであったが、現在は占領地の水を含む天然資源の掌握による戦費の補償を考慮した戦争や政権転覆工作が主流です (エジプトは水資源をアメリカに掌握されています)。将来期待される資源や収益と財政の均衡が、いかにして成されるかは未知数なものです。現代の科学技術や生活は、地球の天然資源に依存したもので、一方で、目にする空想的な未来図もすべてが天然資源を必要とされるものです。戦争がなくならない理由ともいえます。もう少し空想を広げると現代や未来は、中世からさほど進歩していない状態とも見えます。Xに投稿されたものに、ロシアの最新の統計が列挙されていたものがあり、ここにいくつかを転載します。年末までにどうなるでしょうか。ロシアは、ウクライナの侵攻計画を順当にこなしています。またNATOとアメリカは軍事費の拡大を承認し、重商主義を明確にしました。

2025-6-25
X投稿者(米国)の未来予想∶2025年第3四半期のロシア

「ロシアは、ソ連の終末期に類似した崩壊の初期段階にある。過剰な軍事費、衰退する市民社会、経済停滞、そして地政学的孤立といった状況は、ソ連の経験を彷彿とさせる」

・原油が、55ドル以下ならGDPは4.5~5.5%縮小
・インフレ率は、17~19%、パニック買いや配給制が誘発
・通貨は、125~130ルーブルまで下落
・外貨準備高は、3,500億ドル未満で不足気味
・500億ドル~600億ドルの債務不履行の可能性
・年末までに1,000件以上の抗議活動が発生
・貧困率は、20~22%に上昇
・年金予算は、190億ドル不足
・分離独立運動のリスク
・チェチェン、タジキスタン、シベリアで補助金廃止
・原油55ドル以下で内紛の可能性が高まる確率は30%

ソ連崩壊直前の80年代

・国防費は、GDPの15~20%  (2,200~2,600億ドル)
・軍需産業は、総工業生産の20~30%を消費
・戦車は、ピーク時で年間2,200~2,400両生産
・自動車の所有率は、100人あたり7台

2025年ロシアの統計

・GDPの7.1%が、国防費 (1兆6,100億ドル)
・ロシア連邦予算4,600億ドルの32%が国防費
・民間インフラ支出は、GDPの2.2%(355億ドル)
・軍需産業は、250万人~270万人の労働者を雇用
・戦車1,400両、航空機350機、海軍艦艇50隻を年間製造

・GDP成長率は、平均0.4%、2025年第1四半期は-0.5%
・連邦政府歳入の38%が、石油ガス収益による
・北極圏の石油生産コストは、1バレル42~45ドル
・テクノロジーセクターは、GDPの10%、製造業は12.5%
・テクノロジー輸出は、75億ドル  (中国は9,400億ドル)

・ルーブルは、2022年以降38%下落
・インフレ率は、前年比13.5%
・金利は、15.75%
・政府債務は、GDPの32%  (5,150億ドル)
・外貨準備高は、3,800億ドル  (2021年は6,000億ドル)
・貿易赤字は、2024年に240億ドル
・対外債務返済は、260億ドル  (年間10億ドル)

・人口は、1億4,340万人  (2020年から130万人減少)
・出生率は、1.38人/女性
・生産年齢人口は、3.2%減少  (9,100万人)
・実質賃金は、2020年から9.1%減少
・平均所得は、月額480ドル  (7万円)
・貧困率は、16.5%に増加

・食料不安は、11.5%  (特に農村部に集中)
・電力は、26%の農村地域で不安定
・医療セクターは、GDPの3.4%と減少
・研究開発費は、GDPの1.0%  (160億ドル)
・2020年から55万人の労働者が、国外流失
・特許出願件数は、17%減少
・自動車生産台数は、年間48万台  (2013年は130万台)

・シロヴィキ派閥が、政府路線から離反傾向
・国家警備隊は、42万5000人  (年間費用は110億ドル)
・市民の抗議活動は、63都市で490件発生
・国有企業(SOE)は、GDPの61%
・民間投資は、2020年から27%減少
・腐敗指数は、世界137位

・西側諸国企業の1,100社が、ロシアを撤退
・3,000億ドルの準備金が、凍結されている
・半導体、航空機、AIチップの禁輸措置継続中
・対外直接投資は、45億ドルに減少  (2019年は180億ドル)
・中国との貿易は、2,100億ドル
・ロシアへの融資金利は、現在7.2%

米国の次世代兵器と地政学的優位性

2025年半ばまでに、指向性エネルギー兵器、相対論的弾頭、AI強化運動エネルギーシステム(相対論的キルビークル、極超音速滑空迎撃機、機密扱いの「量子推論」プラットフォーム)における画期的な進歩を活用した米国の次世代兵器は、ロシア、中国、イラン、北朝鮮に対する戦略的切り札となる。これらは、一発の弾丸も発射することなく地政学的な優位性を保つ。

・ロシアの第二撃実行可能性を弱める
・中国のミサイル群を無力化する
・北朝鮮とイランの発射点火前に不活性化する












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